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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科57巻4号

2003年04月発行

症例報告

出生時にみられた新生児中毒性紅斑の1例

著者: 谷岡未樹1 本田えり子1 高垣謙二1

所属機関: 1島根県立中央病院皮膚科

ページ範囲:P.380 - P.382

文献概要

 出生直後の満期産男児.母親の健康状態,妊娠経過に問題なし.出生時より全身に散在する膿疱を認め,無呼吸発作を伴ったためにNICU入室となった.羊水は胎便により混濁し,CRP値は上昇していた.これらの所見から膿疱の原因は感染症だと考えられたが,膿疱内容物のWright染色では好酸球がほとんどであり,細菌,真菌,多核巨細胞がみられなかったため,新生児中毒性紅斑が疑われた.皮疹は無治療で軽快傾向を示し,生後10日目には消失した.臨床経過と併せて新生児中毒性紅斑と診断した.新生児中毒性紅斑は新生児の生理的皮膚変化の一つであるが,生下時よりみられることは稀である.新生児に生じた膿疱の鑑別診断にあたっては,膿疱内容物のWright染色が簡便で有用性の高い検査と思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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