臨床皮膚科57巻4号

2003年04月発行

症例報告

Palmar fibromatosisの1例

著者： 沖田博¹ 大塚勤¹ 山崎雙次¹

所属機関： ¹獨協医科大学皮膚科学教室

ページ範囲：P.390 - P.392

文献概要

　69歳，男性．初診の1か月前より左手掌に自覚症状のない硬結が出現した．検査上，C型肝炎ウイルスが陽性であった．病理組織学的検査では，真皮下層から皮下組織にかけて膠原線維と線維芽細胞の増殖を認め，臨床所見と併せてpalmar fibromatosisと診断した．手指の機能障害を認めないため経過観察とした．palmar fibromatosisは，皮膚科領域での報告は比較的少なく，治療の選択に苦慮することがある．若干の文献的考察を加えて報告する．