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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科57巻4号

2003年04月発行

文献概要

症例報告

センチネルリンパ節の同定にRI法と色素法の併用が有用であった左側頭部悪性黒色腫の1例

著者: 藤澤章弘1 鬼頭昭彦1 谷岡未樹1 藤井秀孝1 立花隆夫1 宮地良樹1

所属機関: 1京都大学大学院医学研究科皮膚病態学

ページ範囲:P.410 - P.413

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 54歳,男性.左側頭部の結節を伴う黒褐色斑を主訴に来院した.臨床像より悪性黒色腫を疑い,全摘生検(excisional biopsy)とセンチネルリンパ節(sentinel lymph node:SLN)生検を計画したが,SLNが耳前部あるいは耳介後部のいずれにあるか不明であった.そこで,まずRI法により原発巣からのリンパ流が耳介後部へ向かうことを確認した後,色素法を用いて耳介後部のSLNを同定,摘出した.SLNに転移を認めたが,遠隔転移を示唆する所見は得られなかったため,拡大切除術と連続して頚部リンパ節郭清術を施行した.また,術後には化学療法(DAV-Feron)を6クール行った(表在拡大型黒色腫,StageⅢ:pT4bN1M0).なお,摘出標本において左耳介後部リンパ節と上内深頚リンパ節にも新たな転移巣を認めたことより,SLN生検はリンパ節郭清のみならず術式の選択においても有用であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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