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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科57巻4号

2003年04月発行

症例報告

顆粒状外観を呈した家族性良性慢性天疱瘡の1例

著者: 稲見加恵1 石崎純子1 繁益弘志1 原田敬之1 鈴木久美子2

所属機関: 1東京女子医科大学附属第二病院皮膚科 2スズキ皮フ科クリニック

ページ範囲:P.421 - P.424

文献概要

 47歳,男性.1993年頃から陰股部に湿潤性紅斑が出現.姉に家族性良性慢性天疱瘡あり.前医にて同症と臨床診断され加療されるも一進一退.1994年頃,皮疹局面内に疣状丘疹が出現し,尖圭コンジローマとして液体窒素による凍結療法を追加されるも疣状丘疹の増加を認めたため,1997年11月当科へ紹介された.初診時,両側陰股部,腋窩部,臍周囲に家族性良性慢性天疱瘡に定型的な湿潤性紅斑局面あり.陰股部では皮疹に混在して小豆大程度までの紅色調,表面平滑な丘疹が多数認められ,敷石状に集簇.疣状~粗大顆粒状の外観を呈していた.病理組織学的には湿潤部に典型的な家族性良性慢性天疱瘡の所見を認めたが,疣状部では表皮の不規則な肥厚が認められるものの明らかな棘融解は認められなかった.酵素抗体法による検索ではHPVは陰性.類似症例についての報告は少なく,若干の考察を加え報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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