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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科57巻4号

2003年04月発行

文献概要

症例報告

疣贅状肢端角化症(acrokeratosis verruciformis)の2例―Darier病との関連について

著者: 前田樹里子1 宇谷厚志12 鈴木睦美2 新海浤1

所属機関: 1千葉大学医学部附属病院皮膚科 2福井赤十字病院皮膚科

ページ範囲:P.425 - P.427

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 症例1:25歳,男性.症例2:71歳,女性.小児期発症の,変化に乏しい手背・足背の紅斑と播種状扁平丘疹を主訴とした.ともに家族に同症を有するが,Darier病を示唆する病変はない.病理組織像では過角化ならびに表皮,特に顆粒層の肥厚がみられ,Darier病やヒトパピローマウィルス感染を疑わせる所見は認められない.疣贅状肢端角化症は本2例のような単独発症もあるが,Darier病との合併がより知られている.そのため,Darier病患者にみられる肢端の皮疹として,本症とDarier病の特異疹は混同されていたようである.しかし現在では,組織学的に鑑別しうる独立した疾患とされている.単独発症の疣贅状肢端角化症は,臨床的には,青年性扁平疣贅と,手掌足底の角化性病変をきたす疾患が鑑別となる.非定型の症例に遭遇した場合は,本疾患も念頭に入れ診断する必要があると考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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