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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科57巻5号

2003年04月発行

特集 最近のトピックス2003 Clinical Dermatology 2003

1.最近話題の皮膚疾患

ブフェキサマク含有外用剤による重症の接触皮膚炎の2例

著者: 竹中祐子1 宍戸悦子1 小林里実1 桧垣祐子1 川島眞1

所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.17 - P.21

文献概要

 症例1は58歳,女性.右腰部の帯状疱疹に対しアンダーム(R)軟膏を塗布したところ,外用4日目より外用部とその周囲に紅斑が出現し,外用中止後も軀幹,四肢,さらに顔面へと拡大した.38.5℃の発熱と,外用部および顔面の紅斑上に小膿疱を伴った.症例2は78歳,女性.頚部,上肢の日光皮膚炎に対しデムコAローション(R)を外用したところ,2日目より外用部とその周囲に浮腫性紅斑が出現し,外用中止後も顔面,軀幹に拡大した.2例ともステロイド外用療法のみでは不十分で,プレドニゾロン30mg/日の内服を要した.ブフェキサマクによる重症の接触皮膚炎は,外用部位を越えて遠隔部位にも皮疹を生じ,外用中止後も皮疹の遷延,拡大をみること,全身倦怠感,発熱などの全身症状を伴うことが特徴と思われた.皮疹が遷延,広範囲に拡大する要因として,本剤の強い抗原性に加え,抗原物質が皮膚に長期残存することが考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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