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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科57巻5号

2003年04月発行

特集 最近のトピックス2003 Clinical Dermatology 2003

2.皮膚疾患の病態

PXE(pseudoxanthoma elasticum)の遺伝子異常

著者: 多島新吾1

所属機関: 1防衛医科大学校皮膚科

ページ範囲:P.59 - P.63

文献概要

 Pseudoxanthoma elasticum(PXE)は皮膚症状,眼症状,心血管障害を示す優性あるいは劣性遺伝性疾患である.病理組織上,弾力線維の変性およびカルシウム沈着を認める.この所見より責任遺伝子は弾力線維にかかわる結合組織蛋白の遺伝子と考えられていたが,近年,細胞内物質輸送に関与する膜蛋白であるABCC6(MRP6)遺伝子に異常を認めることがわかった.ABCC6蛋白の機能あるいは何が基質になるかは現時点でよくわかっていない.おそらくABCC6の基質になる物質の輸送異常が生じ,そのためにその物質の代謝異常により正常な弾力線維を形成できず,カルシウム沈着を生じると考えられる.ABCC6遺伝子異常が弾力線維の断裂,沈着,あるいはカルシウム沈着とどのようにかかわっているか今後の問題である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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