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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科57巻5号

2003年04月発行

特集 最近のトピックス2003 Clinical Dermatology 2003

2.皮膚疾患の病態

せつ・よう(癰)はなぜできる?:Panton-Valentine毒素産生黄色ブドウ球菌の役割

著者: 山崎修1

所属機関: 1岡山大学大学院医歯学総合研究科皮膚・粘膜・結合織学

ページ範囲:P.65 - P.69

文献概要

 Panton-Valentine型ロイコシジン(PVL)は白血球に対して高い特異性を示す毒素である.フランスでの黄色ブドウ球菌の臨床分離株からはPVLは全体の5%以下しか検出されていないにもかかわらず,せつ(せつ)やせつ腫症など深在性皮膚感染症では93%に検出された.さらに,最近PVLの致死的なブドウ球菌性壊死性肺炎への関与も報告され注目されている.当科でのせつ・せつ腫症・癰(よう)から分離された黄色ブドウ球菌についてPVLを検索した結果,全体で21%,せつ腫症55.5%,せつ14.2%,癰0%の検出率であった.臨床的には基礎疾患のない若年者に多く,発赤の強いせつで,せつ腫症になりやすい傾向が認められた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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