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特集 最近のトピックス2003 Clinical Dermatology 2003 3.新しい検査法と診断法
FDG-PETによるメラノーマ転移巣の描出
著者: 深川修司1
所属機関: 1九州大学大学院医学研究院皮膚科学分野
ページ範囲:P.98 - P.102
文献購入ページに移動 最近,新しい画像診断として,糖代謝を画像化したFDG-PETが注目されている.FDGの組織への取込みは腫瘍のviabilityを表しているため,FDG-PETは従来の形態画像診断法では評価困難な病変の診断や治療効果判定に有用である.メラノーマは転移の有無が治療方針の決定および予後にかかわるため,正確な病期診断が必要である.従来はCT,MRI,超音波,ガリウムシンチ,骨シンチなどにより判断してきたが,ガリウムシンチ,骨シンチは一般には普及しておらず,また診断能にも限界があった.そのような背景から欧米では早くからFDG-PETの有用性が認められており,悪性リンパ腫,肺癌,メラノーマなどの疾患で積極的に施行されている.日本国内では2002年4月よりメラノーマを含む12の疾患で適応が認められた.今後,普及は広がっていくだろうと思われる.
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