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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科57巻5号

2003年04月発行

文献概要

特集 最近のトピックス2003 Clinical Dermatology 2003 4.皮膚疾患治療のポイント

塩酸ミノサイクリンによる間質性肺炎

著者: 井上光世1 橋本隆1

所属機関: 1久留米大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.131 - P.134

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 塩酸ミノサイクリンによる薬剤性肺臓炎について解説する.本症は現在まで約50例の報告があり,皮膚科領域ではざ瘡や水疱性類天疱瘡などに対して長期使用されることが多いためか比較的報告例が多い.急性発症する例は薬剤開始後数日~数週以内に,呼吸困難,乾性咳,発熱が出現し,聴診で捻髪音が聴取され,胸部単純X線写真で両側性スリガラス状陰影などの間質性陰影と,浸潤影などが認められ,PIE症候群ないしは好酸球性肺炎の像を呈することが多い.内服数か月後に慢性型として発症する場合,発熱を伴わない間質性肺炎の像を呈する.多くは予後が良く,薬剤中止後は速やかに改善するが,症状が激烈な場合ステロイド治療を要し,高齢者では時に死亡する場合があるため,発症後早期に本疾患を疑うことが重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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