臨床皮膚科57巻5号

2003年04月発行

特集 最近のトピックス2003　Clinical Dermatology 2003

5.皮膚科医のための臨床トピックス

Saphenous vein graft donor site dermatitis

著者： 小松成綱¹ 中根宏¹ 坂井博之² 山本明美¹ 橋本喜夫¹ 飯塚一¹

所属機関： ¹旭川医科大学医学部皮膚科学教室 ²深川市立総合病院皮膚科

ページ範囲：P.162 - P.164

文献概要

　Saphenous vein graft donor site dermatitisは，冠動脈バイパス術などの血管バイパス術時に使用するグラフトとして大伏在静脈を採取した後に，術後瘢痕部に一致して生じてくる湿疹病変である．術後1か月以降から患肢下腿内下側の瘢痕周囲に生じる．ステロイド剤によく反応し，月～年単位で消退するが再燃する場合もある．組織学的にはsubacute dermatitisの像を呈し，静脈うっ滞に伴う所見は通常認めない．