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特集 最近のトピックス2003 Clinical Dermatology 2003 5.皮膚科医のための臨床トピックス
カラービデオスコープを用いた舌表面形態の観察
著者: 前田学1
所属機関: 1県立岐阜病院皮膚科
ページ範囲:P.180 - P.183
文献購入ページに移動 2000年12月~2001年10月までの11か月間,県立岐阜病院皮膚科にて加療中の計514名の皮膚疾患患者および健常人50名の舌乳頭の形態的変化をビデオスコープにて観察した.対象は膠原病群138名〔Sjögren症候群(Sjs)43例,Sjs疑い18例,非Sjs膠原病群77例〕と非膠原病群(376例:湿疹皮膚炎群,他)で,その結果,糸状乳頭は高度異常(完全消失型:タイプⅣ),中等度異常(タイプⅢ),軽度異常(タイプⅡ),異常なし(正常型:タイプⅠ)の4型に分類可能であった.おのおの,28,87,237,167名にみられ,4型と茸状乳頭,ガムテスト異常(10ml未満),味覚異常,亀裂,歯圧痕,舌裏面静脈怒張,眼乾燥症状と口腔乾燥症状項目数,扁桃異常とは相関がみられたが,抗核抗体別の変化とは相関しなかった.茸状乳頭は扁桃腺異常,特に腫脹と有意に相関していた.ビデオスコープを用いた舌乳頭表面の観察では,糸状乳頭高度異常(完全消失)ないし中等度異常の異常(ⅣとⅢ型)を呈した場合にはSjsとする感度は76.7%であったが,特異度は28.7%と低値であった.ビデオスコープを用いた舌乳頭表面の観察はSjsないしその合併を示唆できる手段の1つとして有用と考えられた.
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