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原著
成人麻疹―18例の検討
著者: 岩田貴子1 臼田俊和1 小寺雅也1 八代浩1 岩田洋平1
所属機関: 1社会保険中京病院皮膚科
ページ範囲:P.454 - P.458
文献購入ページに移動2000年10月~2001年10月までの1年間に,21例の入院を必要とした成人麻疹を経験した.そのうち,臨床所見,血液検査等のデータを追跡しえた18例につき検討した.症例は10~30代に限局しており,発症時期は3~8月に集中していた.皮疹は全例麻疹に特徴的な発疹であったが,二相性熱型,Koplik斑を認めたのは約半数であった.また,8割近くに軽度肝機能異常を認めた.近年,麻疹ワクチンの普及に伴い麻疹の集団発生が減少し,追加免疫の機会も減少している.そのために,異型麻疹や成人麻疹は今後増加傾向を示すものと考えられる.成人麻疹における合併症の一つとして肝障害があり,治療上注意すべきものと考えられた.
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