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症例報告
ビタミンA剤内服とステロイド外用剤が有効であった小児の毛孔性紅色粃糠疹
著者: 杉内利栄子1 高橋和宏2 相場節也2
所属機関: 1石巻市立病院皮膚科 2東北大学大学院医学系研究科内科病態学皮膚科学分野
ページ範囲:P.476 - P.478
文献購入ページに移動8歳,女児.手足の荒れがひどく近くの皮膚科に通院していたが,改善しないため当科を受診した.両側の手掌,足底,膝にびまん性に角質の肥厚がみられた.膝より生検した病理組織学的所見は角層の肥厚と不全角化,表皮の乳頭腫症を示し,真皮浅層に血管周囲にリンパ球主体の炎症細胞浸潤を示した.臨床所見と併せて毛孔性紅色粃糠疹(PRP)と診断した.カルシポトリオール軟膏(ドボネックス軟膏(R))を1週間外用させたが増悪したため,パルミチン酸レチノール(チョコラA(R),3万単位)内服とdiflorasone diacetate(ジフラール軟膏(R))と10%サリチル酸ワセリン等量混合の外用に切り替えたところ,2週間で皮疹は著明に改善した.その後,この治療開始時に血中ビタミンA濃度が303ng/ml(正常値431~1,041)と軽度低下していることがわかった.
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