文献詳細
症例報告
塩酸リトドリンによる膿疱型薬疹の1例
著者: 松下貴史1 福井米正1 八十島邦昭2 新井裕一3
所属機関: 1黒部市民病院皮膚科 2黒部市民病院産婦人科 3黒部市民病院神経内科
ページ範囲:P.483 - P.486
文献概要
32歳,女性.19歳の時から外眼筋炎にてプレドニゾロンを30mg隔日で内服している.第2子妊娠28週より切迫早産のため,塩酸リトドリンの点滴を開始した.妊娠30週よりほぼ全身に膿疱を伴う紅斑が出現し,地図状舌・発熱も認めたためプレドニゾロンを30mg/日へ増量した.皮疹は軽快したがプレドニゾロン減量にて再燃し,妊娠33週には肝機能障害を認めたため,塩酸リトドリンを中止した.妊娠34週に男児を出産し,皮疹・肝機能障害は消退した.病理組織では表皮内に好中球からなる海綿状膿疱を認めた.塩酸リトドリンのパッチテスト陽性により膿疱型薬疹が強く疑われたが,疱疹状膿痂疹との鑑別を要した.
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