文献詳細
症例報告
足底疣贅様外観を呈したamelanotic melanomaの1例
著者: 山本瑞枝1 鬼頭昭彦1 谷岡未樹1 藤井秀孝1 立花隆夫1 錦織千佳子1 宮地良樹1
所属機関: 1京都大学大学院医学研究科皮膚病態学
ページ範囲:P.516 - P.518
文献概要
56歳,女性.1か月前に左鼠径部の皮下腫瘤に気付き近医を受診した.生検にて悪性黒色腫のリンパ節転移と診断されたため,原発巣の検索と加療目的で当科を紹介受診した.左踵部にみられた黄色角化性の疣贅様病変を全切除生検した.病理組織所見および全身検索の結果から,無色素性末端黒子型黒色腫(amelanotic ALM StageⅢ:pT3aN1M0)と診断し,原発巣の拡大切除と左鼠径リンパ節郭清術を施行し,術後はDAV-Feron療法を6クール行った.術後8か月経過し,現在のところ再発,転移は認めていない.自験例は無色素性であり,その病変の大部分を占める表皮内黒子様増殖部に一致して均一な過角化を示したことが,臨床的に足底疣贅様外観を呈した原因と考えた.
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