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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科57巻6号

2003年05月発行

症例報告

日本紅斑熱の9例―DICと多臓器不全を併発し,集中治療室での全身管理を必要とした3症例を含む

著者: 本田えり子14 谷岡未樹15 本田哲也1 高垣謙二1 佐々木晃2 豊嶋浩之2 松原康博2 木村清志3 大田宣弘3

所属機関: 1島根県立中央病院皮膚科 2島根県立中央病院救命救急科 3島根県立中央病院総合診療科 4国立京都病院皮膚科 5京都大学大学院医学研究科皮膚病態学

ページ範囲:P.523 - P.526

文献概要

要約

島根県弥山山系周辺で9例の日本紅斑熱を経験した.野山への立ち入りの既往,および臨床所見より日本紅斑熱または恙虫病と診断し,特異抗体による確定診断の結果を待たずに,ミノサイクリンの投与を始めた.発症後5~6日経過した3症例は,ショック状態に陥り,腎不全,呼吸不全,DICを併発していた.このため,集中治療室で全身管理を行い救命しえた.治療はミノサイクリン投与を第一選択とした.経過中,ミノサイクリンによる肝障害が生じた3症例では,レボフロキサシンの内服治療へ変更して順調に軽快した.9症例とも後遺症を残さず治癒した.間接免疫蛍光抗体法にて特異抗体の上昇を認め,全例を日本紅斑熱と確定診断した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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