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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科57巻7号

2003年06月発行

原著

基底細胞腫と思われる病変と孤立性毛包上皮腫の併発例

著者: 木村俊次1 稲積豊子1 江守裕一1

所属機関: 1国家公務員共済組合連合立川病院皮膚科

ページ範囲:P.558 - P.562

文献概要

 46歳,家婦.約1年前から右鼻背に孤立性毛包上皮腫(TE)が3個の丘疹として,また右鼻翼から上口唇にかけて基底細胞腫(B)と思われる病変が局面状皮疹として生じた.局面状皮疹は臨床的に丘疹が融合したように見え,小黒点や小潰瘍を伴い,境界がやや不明瞭であった.組織学的には左右対称性を欠き,胞巣が大小不同で密に存在すること,間質との関係がTEとは異なること,また,より好酸性で篩状やシダの葉状構造を呈する胞巣と,より好塩基性で充実性の胞巣から成り,PAS陽性基底膜は前者のみ陽性,bcl-2染色では前者は胞巣辺縁の一層のみ,後者は胞巣全体がびまん性に陽性を示したこと,などから局面状皮疹はBであって,かつTEからの移行ないしTEへの分化を示すものと考えた.TEとB,さらにtrichoblastomaとの関連について若干の考察を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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