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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科57巻7号

2003年06月発行

症例報告

HCV陽性肝細胞癌患者にみられた表在播種型汗孔角化症

著者: 石原幸子1 長坂武1 木花光1

所属機関: 1済生会横浜市南部病院皮膚科

ページ範囲:P.579 - P.581

文献概要

 73歳,女性.4年前よりC型肝炎ウイルス(HCV)抗体陽性の肝硬変,4か月前に肝細胞癌(hepatocellular carcinoma:HCC)を発見され,加療されている.2年前より出現した自覚症状のない大豆大までの角化性環状褐色斑を非露光部を含むほぼ全身に多数認め,表在播種型汗孔角化症(disseminated superficial porokeratosis:DSP)と診断した.近年,HCV(+)患者,なかでもHCC発生患者においてDSPが認められたとの報告が相次いでいる.HCC患者例ではいずれも皮疹出現後にHCCが発見されており,HCV(+)患者でDSPが発症した場合は,HCCの発生を常に念頭に置くべきである.免疫抑制状態の患者に汗孔角化症が生じることが知られており,HCVによる肝炎,肝硬変さらにはHCCへの進行過程における何らかの免疫機構の異常がDSPの発症に関わる可能性が示唆される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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