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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科57巻7号

2003年06月発行

症例報告

肺癌を合併したサルコイドーシスの1例

著者: 浅野聖子1 上田周1 石橋睦子1 石黒直子1 川島眞1

所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.583 - P.586

文献概要

 74歳,女性.右肺門部の腫瘤陰影の精査目的で当院内科に入院中に,顔面,膝蓋の紅斑と右上腕の皮下結節について当科を紹介された.病理組織学的所見では,類上皮細胞とリンパ球により構成される肉芽腫を認めた.ACE,リゾチームの上昇,非活動性ブドウ膜炎と,胸部X線像では両側肺門リンパ節の腫大と両肺野全体の淡い陰影に加え,右肺門部に約3×4cmの腫瘤陰影を認めた.縦隔鏡下リンパ節生検で類上皮細胞肉芽腫を認め,経気管支肺生検により右肺門部の腫瘤は腺癌であり,肺癌を合併したサルコイドーシスと診断した.プレドニゾロン30mg/日の内服および腫瘍切除術と化学療法によりサルコイドーシス,肺癌ともに寛解したが,骨および胸膜転移が確認された後にサルコイドーシスの皮疹が再燃した.肺癌が関連した反応としてサルコイドーシスが進展した可能性を推察した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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