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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科57巻7号

2003年06月発行

症例報告

巨大な水疱を形成したerythema ab igneの1例

著者: 冨田郁代1 東晃1 前田宜延2

所属機関: 1富山赤十字病院皮膚科 2富山赤十字病院病理部

ページ範囲:P.599 - P.602

文献概要

 13歳,女児.1998年2月より不登校となり日中も櫓ごたつで寝ており,下腿に網目状の褐色斑を認めた.その後,褐色斑上に小水疱~小鶏卵大までの水疱が出現.組織学的には,表皮直下の水疱で,真皮上層に軽度のリンパ球浸潤があり,小血管の拡張と増生,メラニンの脱落を認めた.蛍光抗体間接法,直接法はともに陰性.erythema ab igneとしてステロイド外用とニコチン酸トコフェロール,カリジノゲナーゼ内服により,症状軽快した.表皮真皮境界部の接着因子の一つであるtype IV collagenは非水疱部で弱陽性,水疱部で陰性であり,水疱形成には温熱刺激による表皮真皮境界部のtype IV collagenの障害が関与すると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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