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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科57巻7号

2003年06月発行

文献概要

症例報告

両側性の側頭部潰瘍を伴った巨細胞性血管炎の1例

著者: 木下順平1 義澤雄介1 新見やよい1 山西貴仁1 加藤陽子1 五十嵐司1 東直行1 川名誠司1

所属機関: 1日本医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.606 - P.608

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 77歳,女性.数年前より,右後頭部の頭痛が持続していた.初診2か月前より,右側頭部に強い疼痛を伴う腫脹発赤と,黄褐色の壊死組織が付着した潰瘍局面が出現.また,同時期に,左眼の急激な視力低下を認め,眼科にて網膜中心動脈閉塞症と診断された.1か月前より左側頭部にも同様の病変が出現.初診時右側頭部に70×40mm,左側頭部に130×60mmの潰瘍を認めた.血沈108mm/hr,CRP6.15mg/dl,抗核抗体160倍,血管造影では浅側頭動脈は描出されなかった.浅側頭動脈の生検にて,血管壁は肥厚し,多核巨細胞,内弾性板の断裂,多層化を認め,動脈内腔は狭窄していた.巨細胞性血管炎と診断し,プレドニゾロン30mg/日の内服開始し,血沈,CRPの低下,潰瘍の上皮化を認めた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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