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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科57巻7号

2003年06月発行

文献概要

症例報告

動静脈奇形に合併したangiolymphoid hyperplasia with eosinophiliaの1例―本邦報告例121例の統計学的考察を含めて

著者: 木村育子1 宍倉めぐみ1 樹神元博1 海老原全1 長谷川時生2

所属機関: 1東京都済生会中央病院皮膚科 2東京都済生会中央病院形成外科

ページ範囲:P.615 - P.617

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 63歳,男性.頭頂部から右側頭部にかけて生じたangiolymphoid hyperplasia with eosinophiliaの1例を報告した.約10年前に頭部に米粒大の結節が出現し徐々に増大,ほかに数個の結節が新生してきたため当科を受診した.初診時,頭頂部から右側頭部にかけて直径約0.5~3.5cmまでの結節を数個認めた.表在リンパ節は触知しなかった.臨床検査所見では好酸球の増多はなく,またIgEは1,104IU/mlと高値であった.病理組織像では,真皮浅層から深層にかけて島嶼状に血管周囲にリンパ球,好酸球の浸潤を認め,血管内皮細胞は内腔に突出し数珠状に連なっていた.真皮深層にはリンパ濾胞様構造を認めた.右外頚動脈造影で浅側頭動脈領域に動静脈奇形を認めた.本疾患は本邦では1974年以降121例の報告がある.自験例を含め若干の統計学的考察および本疾患と動静脈奇形の合併につき検討した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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