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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科57巻8号

2003年07月発行

今月の症例

顎部に巨大な硬性下疳を生じた1例

著者: 石上剛史1 浦野芳夫1 飛田泰斗史1 藤井義幸2 長江浩朗3 原田浩史3 宇都宮正裕4

所属機関: 1徳島赤十字病院皮膚科 2徳島赤十字病院病理部 3徳島赤十字病院形成外科 4宇都宮皮膚科泌尿器科

ページ範囲:P.672 - P.674

文献概要

 49歳,男性.初診の約1か月半前に顎部に虫刺され様の皮疹が出現,徐々に拡大し中央が潰瘍化してきた.初診時,顎部ほぼ正中部に約5×4cmの暗赤色浸潤性局面とその中央部に約3×2cmの潰瘍を認めた.両側下顎リンパ節は腫脹し,軀幹,四肢には自覚症状のない米粒大までの紅色皮疹,紅斑を多数認めた.梅毒血清反応陽性,免疫組織学的にTreponema pallidumを認めた.アモキシシリン投与にて顎部,軀幹,四肢の皮疹,リンパ節腫脹は速やかに軽快した.近年,性行為の多様化に伴い梅毒の病態が変化している.自験例では顎部に巨大な硬性下疳を認め,さらに1期疹と2期疹が同時に出現した.このように典型的な皮疹や経過をとらない例もあり日常診療において注意が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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