icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科57巻8号

2003年07月発行

症例報告

ミトコンドリア遺伝子異常による糖尿病にみられた色素性痒疹様皮疹の1例

著者: 妹尾明美1 山崎宏枝1 米井泰治2 多田譲治3

所属機関: 1三豊総合病院皮膚科 2三豊総合病院内科 3岡山市立市民病院皮膚科

ページ範囲:P.683 - P.686

文献概要

 19歳,女性.母親に35歳時発症ミトコンドリア糖尿病があった.高校生時の学校検診で低身長と難聴があり.1999年4月前胸,背部に網状の紅斑と色素沈着,乳房下に単房性膿疱を生じ,膿疱部の皮膚生検では角層下膿疱,組織好酸球症をみた.検査では血糖330mg/dlと高値,HbA1cは12.3%,尿中ケトン体4+でインスリン注射にて血糖コントロールを行った.皮疹に対してはミノマイシン100mgを投与し,著明に炎症がとれ濃褐色の色素沈着を残した.背部に多毛も混在した.発達知能検査にて言語性IQ80,動作性IQ59,全IQ66と低下を認めた.色素性痒疹は若い女性のダイエット時や糖尿病のケトーシスに合併すると言われるが,ミトコンドリア遺伝子異常による糖尿病との合併の報告はない.本例は色素性痒疹様であるが組織学的には異なっており,その機序は不明であるが色素性痒疹様皮疹として報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら