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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科57巻8号

2003年07月発行

文献概要

症例報告

著しく基底膜の肥厚したDLEの1例

著者: 山中知佳1 喜瀬美香1 庄司昭伸1 小林裕美2 石井正光2

所属機関: 1大阪回生病院 2大阪市立大学大学院医学系研究科皮膚科学教室

ページ範囲:P.695 - P.697

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 19歳,男性.13歳の時に右顔面に自覚症状のない皮疹が出現し徐々に拡大.初診時,右顔面に皮疹中央部が萎縮傾向を示す暗紅色調の局面を認めた.これらの臨床よりdiscoid lupus erythematosus(DLE),morpheaを疑った.皮疹病理組織学的所見では基底膜は著しく肥厚しlupus band testにてこの部分に一致してIgG,IgM,IgA,C3,C4,C1q,フィブリノーゲンの沈着を認めた.また真皮上層の浮腫および真皮中下層には均質化した膠原線維の増生を認めた.これらの所見はDLE,morphea,lichen sclerosus et atrophicusなどの混在が考えられた.以上のことから著しく基底膜の肥厚したDLEと診断した.また,1969年Christiannsonらが報告したannular atrophic plaques of the faceと臨床的,組織学的所見において類似性が認められた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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