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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科57巻8号

2003年07月発行

症例報告

熱傷を契機に発見された晩発性皮膚ポルフィリン症

著者: 山下利春1 大森房之1 嵯峨賢次1 神保孝一1

所属機関: 1札幌医科大学医学部皮膚科学

ページ範囲:P.698 - P.700

文献概要

 63歳,男性.畑で草木を燃やした2~3日後より,熱傷の自覚のないまま前腕伸側に浮腫性紅斑局面が出現し消退しないため,皮膚科を受診した.生検組織像は第I度熱傷に相当する真皮の浮腫と血管拡張像で,真皮血管周囲にPAS陽性物質の沈着を認めた.臨床検査所見では,血清鉄高値,HBs抗体陽性,尿中ウロポルフィリンおよびコプロポルフィリン高値を認め,晩発性皮膚ポルフィリン症(porphyria cutanea tarda:PCT)と診断した.皮疹自体はステロイド軟膏外用により徐々に消退した.これまで日光過敏症や易外傷性はなく,焚き火による熱傷様皮疹を契機に発見された PCT は稀であると考え報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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