icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科57巻8号

2003年07月発行

文献概要

症例報告

右半身に発生した多発性神経鞘腫の1例

著者: 福田英嗣1 Andres L1 日野治子1

所属機関: 1関東中央病院皮膚科

ページ範囲:P.733 - P.736

文献購入ページに移動
 35歳,女性.15年前に右側頚部,右鎖骨下に結節が出現し他院にて切除,神経鞘腫の診断を受けた.その後,同様の結節が右前額,右肩,右大腿部に出現して1か月前より増大傾向があり,右耳後部にも生じ,痛みがあった.肩以外の部位では,下床と可動性のない痛みを伴う弾性硬の皮下腫瘤があり,肩では可動性があった.組織所見では腫瘤は皮下に存在し,線維性の被膜で囲まれ,構成細胞は紡錘形の核と好酸性の細長い細胞質を有していた.一部では浮腫が強い部分もみられた.右大腿部は嚢腫様構造を伴っていた.右前額はAntoni A,右肩はAntoni A優位でAntoni B混在,右大腿はAntoni B優位でAntoni A混在であった.自験例は右半身にのみ多発した神経鞘腫であり,神経線維腫症2型(NF2)との異同や発症機序についても考察した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?