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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科57巻8号

2003年07月発行

症例報告

生検後,消退したMerkel細胞癌の1例―本邦における自然消退例のまとめ

著者: 伊藤圭12 加藤直子12 木村久美子12 柴田雅彦12 菅原弘士3

所属機関: 1国立札幌病院皮膚科 2国立札幌病院臨床研究部 3新日鉄室蘭病院皮膚科

ページ範囲:P.737 - P.740

文献概要

 78歳,女性.初診の1か月前から左頬部に3×2cm大の暗赤色腫瘤が出現した.Incisional biopsyを行ったところ,組織学的に,真皮網状層から皮下脂肪層に単核球細胞の増殖を認めた.免疫染色で腫瘍細胞は核周囲にボタン状のサイトケラチン20陽性所見を呈し,Merkel細胞癌と診断した.また,腫瘍巣周囲にはCD4,CD8陽性Tリンパ球の浸潤が同比率で認められた.生検の2週間後,腫瘍は消退した.根治手術標本には腫瘍細胞は全く存在せず,CD8陽性Tリンパ球の浸潤を認めた.術後10か月が経過する現在も再発および転移は認められない.本邦で報告されている生検後,あるいは自然に退縮したMerkel細胞癌の18例をまとめた.平均年齢は76歳,発症部位は上腕の1例を除き,頬部を主とする顔面であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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