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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科57巻9号

2003年08月発行

文献概要

今月の症例

Localized mycosis fungoidesの1例

著者: 福原耕作1 庄野佳孝2 大城由美3 永井隆4

所属機関: 1若松赤十字病院皮膚科 2若松赤十字病院形成外科 3若松赤十字病院病理部 4永井皮膚科クリニック

ページ範囲:P.769 - P.772

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 73歳,男性.約15年前より背部中央に紅斑が出現し,徐々に増大隆起,クルミ大までの紅色局面が集簇した不整形局面となる.組織学的にはCD3,CD4陽性の異型リンパ球を主体とする真皮上層帯状浸潤,表皮内浸潤,Pautrier微小膿瘍を認め,菌状息肉症の扁平浸潤期に一致する所見であった.血液検査に異常なく,抗HTLV-1抗体は陰性.病変部皮膚DNAの遺伝子解析ではT細胞受容体β鎖,免疫グロブリンH鎖ともに再構成を認めなかった.長期間局所に限局するリンパ球増殖性疾患としては,異型単核球の表皮内pagetoid様増殖を特徴とするWoringer-Kolopp病が知られているが,自験例はpagetoid様所見を認めなかったため,菌状息肉症の稀な亜型であるlocalized mycosis fungoidesと考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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