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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科57巻9号

2003年08月発行

文献概要

症例報告

蜂窩織炎を併発し急速に多発した尋常性膿瘡の1例

著者: 山本隆之1 森田博子1 梅田二郎1 調裕次1

所属機関: 1NTT西日本大阪病院皮膚科

ページ範囲:P.778 - P.780

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 78歳,男性.数年前より皮膚そう痒症で近医に通院していた.1週間前より四肢に膿疱が出現.その後,急速に痂皮の固着した辺縁鋭利な潰瘍が多発し,右下腿の発赤,腫脹を伴い当科受診.細菌検査では潰瘍底からmethicillin-resistant Staphylococcus aureus(MRSA)が検出され,病理検査では表皮から真皮にかけて密な炎症細胞浸潤がみられ,表皮真皮貫通膿疱の状態で壊死塊内には菌塊を多数認めた.尋常性膿瘡と蜂窩織炎の合併と診断し,塩酸バンコマイシン全身投与にて約1か月後に瘢痕治癒した.発症に不衛生な生活環境と掻破行為が関与しており,今後高齢者が増えるにしたがい同様の症例がみられると思われ報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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