症例報告
Cytophagic histiocytic panniculitisの1例―subcutaneous panniculitis-like T-cell lymphomaとの関係について
著者:
樹神元博1
横山小名美1
佐藤良博1
伊崎誠一1
関口直哉2
亀田秀人2
得平道英2
竹内勤2
平井昭男3
所属機関:
1埼玉医科大学総合医療センター皮膚科学教室
2埼玉医科大学総合医療センター第2内科
3埼玉社会保険病院皮膚科
ページ範囲:P.827 - P.830
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32歳,男性.15歳時よりcytophagic histiocytic panniculitisの診断で,近医で治療されていた.2001年8月より症状が増悪し,当院を受診した.初診時,拇指頭大から鶏卵大までの多数の皮下結節を全身に認め,発熱を伴っていた.病理組織像はリンパ球と組織球の浸潤する脂肪織炎を認め,リンパ球は軽度の核異型を示し,組織球の一部は赤血球,核破片を貪食したbean-bag cellの像を示した.免疫染色の結果,浸潤細胞はCD8陽性リンパ球が優位で,細胞傷害性顆粒蛋白(TIA-1およびgranzyme-B)が陽性であった.プレドニゾロンとシクロスポリンの併用で経過良好であった.経過中,可溶性IL-2レセプターが高値を示した.Subcutaneous panniculitis-like T-cell lymphomaとの関係を考慮するベき症例と考えた.