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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科57巻9号

2003年08月発行

文献概要

症例報告

関節症および上強膜炎・虹彩炎を伴った急性型成人T細胞性白血病の1例

著者: 土屋知子1 岸本恵美1 滝沢三久1 轟葉子1 江藤隆史1 白戸りさ2

所属機関: 1東京逓信病院皮膚科 2東京逓信病院血液内科

ページ範囲:P.834 - P.837

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 53歳,男性.2000年9月より関節痛,上強膜炎・虹彩炎,11月より両手掌の紅斑,右大腿の紅褐色丘疹が出現.末梢血異型リンパ球出現とHTLV-1抗体陽性あり.皮膚組織学的所見で真皮血管や付属器周囲性に核が腫大し異型性の強いリンパ球が多数浸潤し,免疫染色でCD3,CD4,CD25陽性であった.サザンブロット法でHTLV-1 proviral DNAのモノクローナルな取り込みを認め,ATLと診断.HTLV-1に関連して関節症,眼症状を起こすことも知られており,本症例における関節症,上強膜炎・虹彩炎も成人T細胞性白血病による症状と考えた.多彩な症状を呈し皮疹より急性型成人T細胞性白血病と診断しえた症例を,若干の文献的考察を加えて報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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