icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科58巻1号

2004年01月発行

文献概要

今月の症例

直腸カルチノイドに合併したparaneoplastic pemphigusの1例

著者: 前川嘉洋1 国武裕子1 橋本隆2

所属機関: 1国立熊本病院臨床研究部皮膚科 2久留米大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.14 - P.18

文献購入ページに移動
症例は直腸カルチノイド術後,転移性肝腫瘍・腹腔内リンパ節転移をきたした65歳,男性.口唇,口腔,鼻腔にびらん・潰瘍を認め,眼瞼に偽膜性結膜炎,陰茎にもびらんを生じた.免疫学的検査により,患者血清は蛍光抗体間接法で抗細胞質抗体が陽性,ラット膀胱上皮にも陽性,免疫ブロット法で複数の抗原に陽性であることや免疫沈降法の結果からparaneoplastic pemphigus(PNP)と診断した.本邦におけるPNPは1996年以来,学会報告を含め20症例がみられる.合併する腫瘍でカルチノイドは自験例のみであった.非Hodgkin性リンパ腫5例,B細胞リンパ腫4例,骨髄腫1例で血液系の悪性腫瘍が半数を占めた.固形癌では肺癌,食道癌,子宮癌が各1例,後腹膜腔腫瘍,縦隔腫瘍が各1例みられ,Castleman腫瘍や胸腺腫といった良性腫瘍の合併もみられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?