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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科58巻1号

2004年01月発行

文献概要

症例報告

胸腺癌患者に生じた成人発症のアナフィラクトイド紫斑の1例

著者: 大澤倫子1 横田浩一1 西江渉1 大久保佐土美1 清水宏1

所属機関: 1北海道大学大学院医学研究科皮膚粘膜病学分野

ページ範囲:P.35 - P.37

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60歳,男性.既往歴に糖尿病,胸腺癌がある.初診の3日前より特に誘因なく,米粒大の無症候性皮疹が両下肢に出現した.初診時,両下肢,前腕,臀部に直径5~10mm大,一部癒合性でびらん,血疱,浸潤を伴う紫紅色の紫斑を伴う小丘疹が散在し,下肢には浮腫を認めた.病理組織像では,主に真皮上層の血管に好中球核破砕性血管炎を認め,蛍光抗体直接法でIgAが血管内皮細胞に沈着し,アナフィラクトイド紫斑と診断した.入院後皮疹はPLS30mg/日で速やかに軽快した.成人発症のアナフィラクトイド紫斑は悪性腫瘍を含む基礎疾患をもつことが多いとされ,自験例では胸腺癌との関連が示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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