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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科58巻1号

2004年01月発行

文献概要

症例報告

皮角様外観を呈したperforating pilomatricomaの1例

著者: 澁谷修一郎1 山村幸子1 大西誉光1 渡辺晋一1

所属機関: 1帝京大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.61 - P.63

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26歳,女性.約1年半前より右上腕伸側に軽度のそう痒を伴う皮疹が出現.その後自覚症状は消失するも,皮疹が徐々に増大した.現症は右上腕伸側に9×7mm大のドーム状に隆起する弾性軟の淡紅色小結節を認め,中央に直径4mmほどの黒褐色の角質様物質が存在し,皮角様外観を呈していた.組織では真皮上~中層にかけて好塩基性細胞よりなる類円形の胞巣が数個と,陰影細胞よりなる胞巣が少数みられ,好酸性の胞巣は表皮を覆う痂皮性角質塊と一部で連続していた.連続部ではその周囲の被覆表皮はこの部で反転し真皮内へ進展し,好酸性胞巣をU字型に取り囲む好塩基細胞巣と連続していた.組織学的に腫瘍の eliminationと判断し,perforating pilomatricomaと診断した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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