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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科58巻1号

2004年01月発行

文献概要

症例報告

Sweet病疑いで経過観察中に発症したMDSの特異疹の1例

著者: 田辺健一1 新山史朗1 坪井廣美1 勝岡憲生1

所属機関: 1北里大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.74 - P.76

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39歳,男性.1999年より四肢の関節痛を自覚し,翌年より体幹,上肢に皮疹が出現してきた.38℃台の発熱を伴い,当初,Sweet病を疑い治療,観察していた.PSL,DDS内服にて軽快はするものの治癒には至らず,約1年後,末梢血に単球を主とする白血球増多を認め骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndrome:MDS)と診断した.同時期より小結節が出現し,病理組織学的に異型の単核球を多数認め,特異疹と診断した.近年,MDSに伴って特異疹が出現する症例が増加してきているが,化学療法,骨髄移植を含めた治療法の進歩によって患者の延命が図られるようになったために,その経過中に特異疹をみることが多くなったと考えられる.特異疹の出現が予後を予見できる症例も存在するため,皮疹の十分な観察が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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