icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科58巻1号

2004年01月発行

文献概要

症例報告

20年間リンパ腫様丘疹症の出没を繰り返した後に生じたanaplastic large cell lymphoma

著者: 堀和彦1 福地修1 大森一範1 新村眞人1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学皮膚科学講座

ページ範囲:P.77 - P.79

文献購入ページに移動
65歳,男性.1980年頃より全身に自覚症状のない紅色丘疹の出没を繰り返していた.2000年6月,左前腕に生じた紅色丘疹が急速に増大し腫瘤を形成した.紅色腫瘤の組織像は真皮から脂肪織にかけて稠密に大型の異型細胞が増殖し,異型細胞はCD30陽性であった.体幹の紅色丘疹の組織像は真皮浅層にリンパ球,好酸球主体の細胞浸潤がみられ,核小体の明らかな大小不同のリンパ球様の細胞が散在し,浸潤細胞の一部にCD30陽性であった.腫瘤切除後,同部に再発を認め電子線40Gy照射した.2000年11月より左腋窩のリンパ節が腫大し,組織像では左前腕の腫瘤と同様の大型の腫瘍細胞が増殖していた.胸部CTにて縦隔リンパ節の腫大を認めanaplastic large cell lymphomaと診断した.2001年1月よりCHOP療法を施行し,左前腕の腫瘤,リンパ節腫大は消退した.全身の紅色丘疹は一時消退したものの再発した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?