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臨床統計
伝染性膿痂疹の臨床的,細菌学的検討
著者: 延山嘉眞1 新村眞人1
所属機関: 1東京慈恵会医科大学皮膚科学教室
ページ範囲:P.83 - P.85
文献購入ページに移動2002年7~9月に埼玉県川口市の東川口病院皮膚科を受診した伝染性膿痂疹患者75例全例を臨床的,細菌学的に検討した.病変部より検出された細菌は,メチシリン感受性黄色ブドウ球菌(MSSA)54例(72%),メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)12例(16%),MSSAを含む混合感染6例(8%),A群β溶血性連鎖球菌1例(1%)であった.湿疹皮膚炎群の合併が18例(24%)にみられた.病変部に頭頚部が含まれる症例のうちMRSAが分離された症例は27例中8例(30%),頚部以下に限られる場合は48例中4例(8%)あり,両者の間にχ2検定(P<0.05)で有意差が認められた.頭頚部に病変が存在する場合MRSA感染を考慮に入れるべきであると考えられる.
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