治療
尋常性乾癬に対するビタミンD3外用薬の有効性―マキサカルシトール軟膏とカルシポトリオール軟膏との左右比較オープン試験
著者:
高城倫子1
八木宏明1
瀧川雅浩1
浦野聖子2
白濱茂穂3
田中正人4
堀部尚弘5
松本賢太郎6
石川学7
古川富紀子8
坂本泰子9
小楠浩二10
冨田浩一10
小出まさよ11
藤本篤嗣12
小菅治彦12
影山葉月13
青島有美13
鈴木陽子14
松下佳代15
所属機関:
1浜松医科大学皮膚科
2遠州総合病院皮膚科
3聖隷三方原病院皮膚科
4島田市民病院皮膚科
5沼津市立病院皮膚科
6国立東静病院皮膚科
7焼津市立総合病院皮膚科
8静岡県立総合病院皮膚科
9藤枝市立総合病院皮膚科
10静岡市立静岡病院皮膚科
11浜松赤十字病院皮膚科
12清水市立病院皮膚科
13磐田市立総合病院皮膚科
14静岡厚生病院皮膚科
15浜松労災病院皮膚科
ページ範囲:P.86 - P.91
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浜松医科大学および静岡県下14施設で,尋常性乾癬患者45例を対象として,マキサカルシトール25μg/g軟膏(O群)とカルシポトリオール50μg/g軟膏(C群)を1日1回あるいは2回,左右対称部位に原則として8週間塗布し,有効性について左右比較オープン試験を行った.1) 皮膚所見(紅斑,浸潤・肥厚,鱗屑)に対する有効性評価では両群間に有意差はなかった.2) 最終時全般改善度は,著明改善以上がO群33%,C群27%,中等度改善以上がO群71%,C群76%であり,両群間に有意差はなかった.3) 全般改善度の左右優劣比較は4週後ではO群がC群に有意に優った(p=0.0455)が,8週後あるいは最終時では両群間に有意差はなかった.4) 局所性副作用として「カサツキ,ケバダチ」がC群に1例みられた.全身性副作用はなかった.5) 有用度の評価では,極めて有用以上がO群13%,C群11%であり,有用度の左右優劣比較とともに有意差はなかった.これらの点から,マキサカルシトール25μg/g軟膏は尋常性乾癬治療において早期に有効性が出現し,局所刺激も認められず有用性の高い薬剤であることが示唆された.