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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科58巻10号

2004年09月発行

文献概要

原著

リウマチ性脈管内組織球症(仮称)の2例―関節リウマチの特異疹か?

著者: 高野浩章1 井上利之1 大浦一1 滝脇弘嗣1 荒瀬誠治1

所属機関: 1徳島大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.796 - P.801

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肘関節部の浮腫性紅斑とその紅斑上に丘疹が樹枝状に集簇する奇異な皮疹を呈する2女性症例を経験した.いずれも関節リウマチ(RA)を合併していた.病理組織学的には真皮内に不規則に拡張した脈管を認め,その内腔に組織球を中心とした炎症細胞集塊の突出がみられた.脈管周囲にはリンパ球・組織球の浸潤もみられ,1例ではリンパ濾胞が形成され,1例では好中球も混じていた.類似の臨床像・病理像を呈した症例は3つの異なった診断名で6例が報告されている.自験例を含め8例とも皮疹は慢性に経過するRA患者の関節周辺に生じており,薬剤誘発性とも考えにくいことからRAの特異疹の一つではないかと考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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