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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科58巻10号

2004年09月発行

文献概要

症例報告

HIV感染患者に生じた第2期梅毒の1例

著者: 櫻庭一子1 福屋泰子1 石黒直子1 川島眞1 井戸田一朗2 戸塚恭一2

所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科学教室 2東京女子医科大学感染症科

ページ範囲:P.816 - P.818

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63歳,男性.同性愛経験者で風俗店での感染機会があった.2000年9月に口腔カンジダ症の既往がある.初診の20日前より筋肉痛,倦怠感,食欲低下,10日前より下痢を認め,5日前より眉間に紅斑が出現し拡大したため,同年10月13日受診した.初診時,前額部,眉間,両頬部,鼻尖部に径5mm前後の浸潤を強く触れる紅斑と右後頸部に紅色丘疹,左手掌に鉄棒豆様の硬く触れる紅斑を認めた.後頸部の丘疹の病理組織像では真皮上層から下層にかけて,主としてリンパ球と少数の形質細胞からなる稠密な細胞浸潤を認めた.ガラス板法64倍,TPLA法18,095.HIVウイルス量は46,000コピー/ml,CD4リンパ球数256/μlであった.無症候期のHIV感染患者に生じた第2期梅毒と診断し,benzylpenicillin benzathine120万単位/日の内服を開始したところ,皮疹は4週間後に消退したが,ガラス板法256倍,TPLA法366,470と上昇したため計12週間の投与を行った.2年5か月後の現在,ガラス板法4倍で再燃は認めない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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