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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科58巻10号

2004年09月発行

文献概要

症例報告

著明な膵酵素の上昇をみたtoxic epidermal necrolysis

著者: 南野義和1 梅林芳弘1

所属機関: 1日立総合病院皮膚科

ページ範囲:P.823 - P.825

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55歳,男性.市販の総合感冒薬(新グリッペルゴールド (R))内服後,発熱,紅斑が出現,体表面積の約45%を占めるびらんを呈した.経過中,血中アミラーゼのみならずリパーゼ,ホスホリパーゼA2,エラスターゼなどの膵酵素の著明な上昇をみた.当初,アミラーゼの分画は唾液腺型が優位でほかの膵酵素は軽度の上昇のみであったが,1週間後には膵型が優位となりほかの膵酵素も著明に上昇してきた.初診時はまずTENによる唾液腺障害があり,遅れて膵障害を合併したものと考えた.水溶性プレドニゾロン120mg/日,FOY(R)600mg/日で治療したところ,20日後にびらんは上皮化,2か月後には膵酵素も正常値に回復した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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