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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科58巻10号

2004年09月発行

文献概要

症例報告

手背に生じた脂肪芽腫の1例本邦報告99例の発生部位の検討

著者: 近藤章生1 品川はる美1 塗木裕子1 梅澤慶紀1 太田幸則1 飯塚万利子1 松山孝1 小澤明1 赤松正2 宮坂宗男2

所属機関: 1東海大学医学部医学科専門診療学系(皮膚科学) 2東海大学医学部外科学系(形成外科学)

ページ範囲:P.843 - P.845

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6か月,女児.生後3か月頃に左手背の腫瘤に気付いた.以後腫瘤は徐々に増大した.初診時, 5cm大の腫瘤を左手背に認めた.腫瘍の硬さは弾性軟だが,脂肪腫と比べやや硬く触知された.超音波・CT上は,脂肪濃度で内部不均一,隔壁構造を伴っており,脂肪由来の腫瘍が疑われた.生後8か月時に生検を施行し,病理組織学的所見では,脂肪芽細胞が散見され,異型細胞は認めず,脂肪芽腫と診断した.その後,急速に増大したため,10か月時に摘出術を施行したが,手指機能温存のため腫瘍の完全摘出は困難で,再発の可能性が残った.本症の本邦報告99例について文献的に検討した.その結果,手背発生例の報告は自験例だけであり,また従来,好発部位は体幹,四肢とされていたが,体表面積から考えると頸部での発生頻度が高かった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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