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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科58巻10号

2004年09月発行

文献概要

症例報告

頭蓋骨破壊をみた熱傷瘢痕癌の1例

著者: 金子高英1 中野創1 神戸有希1 水木大介1 原田研1 花田勝美1 大熊洋輝2 四ツ柳高敏3 野村和夫4

所属機関: 1弘前大学医学部皮膚科学教室 2弘前大学医学部脳神経外科 3弘前大学医学部形成外科学教室 4青森県立中央病院皮膚科

ページ範囲:P.851 - P.854

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54歳,女性.生後8か月に囲炉裏に落ち,頭部を熱傷,その後瘢痕化にて治癒した.以降は特に医治を受けず放置していた.4~5年前より,同部位に難治性潰瘍出現した.次第に隆起し,出血,膿汁,悪臭を伴うようになってきた.当院初診時,右頭頂部に手拳大の厚い痂皮を付着する赤色腫瘤を認めた.頭部MRI像ではこの腫瘍は頭蓋骨を破壊し,硬膜に至っていた.リンパ節,内臓転移はみられなかった.手術標本の病理組織像は有棘細胞癌であった.脳実質には浸潤はみられなかった.T4N0M0,病期ⅢとしてC’A’療法を3クール施行.術後,約1年経過しているが,再発はみられていない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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