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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科58巻11号

2004年10月発行

文献概要

症例報告

腋窩の副乳に発生した線維腺腫の1例

著者: 脇坂ちひろ1 飯豊深雪2

所属機関: 1勤医協札幌病院皮膚科 2勤医協中央病院皮膚科

ページ範囲:P.975 - P.978

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23歳,女性.未婚.2000年4月に左乳房の線維腺腫の切除術を受けている.初診の3年前より右腋窩に腫瘤が出現し,徐々に増大してきたため2001年2月6日当科受診.右腋窩に径1.5cm大の境界明瞭,弾性硬,可動性良好な皮下腫瘍を認め局所麻酔下に腫瘍を切除.病理組織像では線維化した間質結合組織の増殖と,それらにより圧迫され間隙状の分枝管腔を呈する上皮成分からなる境界明瞭な腫瘍で,その周囲には正常乳腺組織を認めた.以上より本症例を腋窩副乳に生じた線維腺腫(管内型)と診断した.線維腺腫は,乳腺組織に生じる良性腫瘍であるが,副乳に生じた報告例は少ない.腋窩に発生する皮下腫瘍の鑑別診断として,副乳および乳腺腫瘍も念頭に置くべきであると考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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