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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科58巻12号

2004年11月発行

今月の症例

高校柔道部員にみられたTrichophyton tonsuransによるケルスス禿瘡の1例および体部白癬の1例

著者: 角谷廣幸1 角谷孝子1 望月隆2

所属機関: 1あいおい皮膚科クリニック 2金沢医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.1015 - P.1018

文献概要

高校柔道部員にみられたTrichophyton tonsurans(T. tonsurans)によるケルスス禿瘡の1例および体部白癬の1例を経験した.従来本邦では,T. tonsuransによる白癬の報告例は少なかったが,近年,中高生の柔道部員やレスリング部員間の流行が相次いで報告されてきており,そのなかでケルスス禿瘡を発症する例が散見されている.また,T. tonsuransによる体部白癬は,顔,頸部,上胸,四肢に多いが,無症候の頭部の皮膚,毛孔,毛に菌が証明される例も多く,注意が必要である.今回,菌の同定に利用した核ribosomal DNAのITS領域の制限酵素分析法(PCR-RFLP法)は,短時間で結果が示されるため,治療方法の選択,感染の流行対策,治癒判定の方法などを考慮する際に菌種による配慮が効果的にでき,迅速診断の方法の一つとして有用であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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