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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科58巻12号

2004年11月発行

文献概要

症例報告

コリン性蕁麻疹を伴った特発性後天性全身性無汗症の1例

著者: 早川郁子1 水野美幸1 山田瑞貴1 白崎文朗1 稲沖真1 竹原和彦1 中村聡2

所属機関: 1金沢大学大学院医学系研究科皮膚科学 2中村皮フ科クリニック

ページ範囲:P.1032 - P.1034

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17歳,男性.8か月前より体が温まったときの無汗とチクチクとした痛みを自覚していた.温熱負荷による発汗試験で体幹・四肢の無汗とコリン性蕁麻疹の出現を認めた.無汗部皮膚生検組織像では汗腺の変性像はなく,汗腺分泌部および導管周囲のリンパ球浸潤を認めた.無汗の原因となる基礎疾患や無汗以外の自律神経機能異常がないことから,特発性後天性全身性無汗症と診断した.ステロイドパルス療法を2クール施行し,症状は一時軽快した.しかし,その後症状が再燃したため,ステロイドパルス療法のみでは効果は一時的であると考え,再度ステロイドパルス療法施行後にプレドニン30mg/日の投与を継続した.症状は軽快し,現在プレドニン7.5mg/日まで漸減しているが再燃はない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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