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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科58巻12号

2004年11月発行

文献概要

症例報告

水疱を伴った蕁麻疹様血管炎の1例

著者: 長谷川優佳1 樋口実穂1 江崎智香子1 市来善郎1 高木肇1 北島康雄1 和泉秀彦2

所属機関: 1阜大学医学部皮膚科学教室 2いずみ皮膚科

ページ範囲:P.1035 - P.1038

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36歳,男性.初診の2か月前よりそう痒を伴う蕁麻疹様紅斑が顔面を除く全身に出現し,2週間前から両側大腿部の紅斑上に水疱が出現した.血清補体価は正常.抗デスモグレイン1抗体,抗デスモグレイン3抗体,抗BP180抗体はすべて陰性.病理組織で表皮下水疱,leukocytoclastic vasculitisを認めた.蛍光抗体直接法では表皮真皮境界部にC3の顆粒状沈着,真皮網状層の血管周囲にC3の沈着が認められた.蕁麻疹様血管炎と考え,抗アレルギー剤内服,ステロイド剤外用を行ったところ,皮疹は3か月後には完全に消退した.自験例のごとく水疱形成を認めた蕁麻疹様血管炎例は稀であると考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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