文献詳細
症例報告
文献概要
80歳,男性.頭頂部から後頭部・額に暗赤色斑,隆起性紅斑局面が出現した.組織像にて血管肉腫と診断.1997年7月22日~1998年2月2日,IL-2の動注と局注,および電子線療法にて消退した.1998年11月2日右側頭部に腫瘤が出現したため,IL-2の局注を施行し平坦化した.1999年6月右耳介後部にも腫瘤が生じ,IL-2の局注をしたが,消退しなかった.プレドニゾロン(PSL)10mg/日をIL-2の局注と併用し,腫瘤は扁平化した.2000年5月31日に,IL-2の副作用による全身浮腫をきたし,PSL増量したところ,浮腫は消退した.その後,PSL15mg/日の内服維持にて腫瘤形成なく,発症より5年3か月間生存した.死因は誤飲性肺炎後の心不全であった.血管肉腫のステロイド療法は,自験例を含め6例で,全例に腫瘤の縮小化が認められた.
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